采配がことごとく的中! 起用に応えた選手たちのゴールラッシュで圧勝。

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2015.3.31
JALチャレンジカップ2015
日本 5-1 ウズベキスタン
[得点]
日本:6分青山敏弘、54分岡崎慎司、80分柴崎岳、83分宇佐美貴史、90分川又堅碁
ウズベキスタン:82分イスロム・トゥフタフジャエフ

|またもや公言通り、チュニジア戦から先発メンバー11人全員を変更
27日にチュニジアとの戦いで初陣を飾ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる新生日本代表は、舞台を大分から東京に移して新体制2試合目となるウズベキスタン戦を迎えた。
チュニジア戦後、指揮官は「次の試合では違うメンバーで臨む。多くの選手に出場機会を与えたい」と公言していたが、システムこそチュニジア戦と同じ4-2-3-1ながら、メンバーに関してはその公約が守られた。ウズベキスタン戦の先発はGK川島永嗣、最終ラインは右SBに内田篤人、中央では森重真人と代表初先発の昌子源がコンビを組み、左SBに酒井高徳を据えた。ボランチは今野泰幸と青山敏弘が並び、トップ下には香川真司。右サイドに本田圭佑、左サイドに乾貴士を入れ、1トップには岡崎慎司が入った。内田、今野、香川、本田、岡崎はチュニジア戦で途中出場しているものの、先発メンバーとしてはチュニジア戦から11人全員を総入れ替えてゲームに臨んだ。
そして、変わったのはメンバーだけではなかった。チュニジア戦でもその片鱗は見せていたが、さらに縦への強い意識を持った攻撃は、この試合でより鮮明に表れていた。開始早々、日本はマイボールにすると中盤から時間を掛けずに最前線の岡崎、あるいは香川へ縦パスを入れ、相手ペナルティエリアに次々と迫る。さらに、パス回しでも時間を使わず、ワンタッチでリズミカルに縦へ、縦へとボールをつないで、ボールと人が連動して攻め込むシーンが多く見られた。また、攻撃面での大きな変化としてはミドルシュートの多さも挙げられる。香川や本田ら、これまではドリブルでの崩しや、ボールをキープで自らのタイミングを作り出すことの多かった選手たちも、この試合ではボールを持ったらすぐにゴールを向き、積極的にシュートを放つ場面が多々見られた。

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|開始早々に青山の見事なミドルシュートで先制
開始5分、細かいパス回しから相手陣内に攻め込んだ日本は左CKのチャンスを得ると、その好機を早速先制点につなげる。キッカーの乾がゴール前に入れたクロスがGKに弾かれると、そのこぼれ球をゴール正面で拾った青山がダイレクトで強烈なミドルシュート。GKの伸ばした手から、わずかに離れていく鋭い弾道のシュートが見事にゴールネットに突き刺さり、日本が先制に成功する。
対するウズベキスタンは、得意のカウンターからサイドを使って日本陣内に攻め込み、クロスや中央につないでからのミドルシュートで応戦。前線こそ激しいプレスを仕掛ける日本だが、自陣ではやや様子を見てプレスが遅いところを狙われ、単発ながらゴールに迫るシュートを打たれた。
先制した日本は、変わらず縦へのパスやミドルシュートでリズムをつかむが、追加点を奪うまでには至らない。逆に42分にはウズベキスタンに右サイドで与えたFKから、ゴール前へ鋭いクロスを入れられてトゥフタフジャエフに決定的なヘディングシュートを放たれるピンチを許す場面もあった。
前半を1-0で折り返した日本は、後半に入ると内田と今野を下げて太田宏介、水本裕貴を投入。酒井高徳を左SBから右SBへ移して左SBには太田を入れ、水本は最終ラインではなくボランチに入った。
次の1点を狙う両チームだったが、先にゴールを奪ったのは日本だった。54分に香川からパスを受けた乾が、左サイドをドリブルで切り裂いてペナルティエリア内に侵入。一度は相手のチェックに阻まれるも、こぼれ球を外側から駆け上がっていた太田が拾ってファーサイドへ。そのクロスを岡崎が頭で合わせてゴールに突き刺し、岡崎の2試合連続となるゴールでリードを広げた。
リードが2点となった日本は、63分に乾に代えて宇佐美貴史、69分には香川を下げて柴崎岳を投入。さらに、72分には本田に代えて大迫勇也を入れ、今回の2試合でベンチ入りしたフィールドプレーヤー全員をピッチに送り出した。

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|1点を失うも、起用に応えた選手たちのゴールラッシュで圧勝
前線の選手を交代で入れ替え、宇佐美、大迫、柴崎といった若くフレッシュなメンバーを並べた日本は、80分に追加点を挙げる。自陣内での相手FKを壁になって阻止した日本は、すかさずカウンターを発動。大きく前に出ていた相手GKより先にこぼれ球を拾った柴崎が、GKをかわす大きなループシュートでゴールを狙う。相手選手が必死に追うも、並走する岡崎がボールをブロックしたままボールとともにゴールへなだれ込み、リードを3点に広げた。
直後の82分、ウズベキスタンは左CKから日本守備陣がクリアしきれなかったところを見逃さず、中央でボールを拾ったトゥフタフジャエフがゴール右にシュートを叩き込んで1点を返すが、日本の勢いは止まらなかった。
83分に岡崎を下げて川又を投入した直後、右サイドで大迫のパスを受けた宇佐美が得意のドリブルでウズベキスタンの選手たちの間をすり抜けてペナルティエリア内に侵入。そのまま自ら落ち着いて右足でゴール左へシュートを流し込み、嬉しい代表初ゴールをマークする。さらに90分、右CKを得た日本は柴崎が中央に入れたクロスを森重が頭で合わせるが、GKが好反応でクリア。しかし、そのこぼれ球を森重が自ら拾ってゴール前に浮き球で折り返すと、最後は競り勝った川又が頭で押し込んで5点目。川又も嬉しい代表初ゴールで、ゴールラッシュの“大トリ”を飾った。
1失点はあったものの、終わってみれば5-1で日本の圧勝。振り返れば恐ろしいほど、ハリルホジッチ監督の采配が的中したゲームだった。1点目を奪ったのは先発起用された青山であり、2点目をアシストしたのは途中交代で投入された太田。さらに、3点目の柴崎、4点目の宇佐美、5点目の川又は、いずれも後半から投入された選手たちだ。3人以上の選手交代が許された親善試合とはいえ、その采配はことごとくゴールにつながっている。
攻撃面ではハリルホジッチ色が十分に表現されていたと言えるだろう。短時間の合宿ながら、選手たちは監督の意図を理解し、ホームでの試合ながら2試合連続の複数得点で最高のリスタートを切った。一方の守備面については、前線からのプレスは効果を発揮していたものの、セットプレー時のマークのズレや、カウンターに対して後方の選手たちがお見合いをする場面も見られた。選手の総入れ替えやコンビネーションの確認時間の短さなどの要素はあるが、次の試合に向けた課題にする必要はありそうだ。
ともあれ、一時期は揺れに揺れた日本代表も何とか立ち直りつつある印象を与えた親善試合2試合だった。6月から始まるW杯予選まで、残された時間は少ない。この結果を確実に次へつなげるためにも、ここからが本当のスタートだ。

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(文/宮坂正志)


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