本田&香川ゴール!ポゼッションで圧倒しD組首位で準々決勝へ。

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2015.01.20
アジアカップ2015・グループD第3節
日本 2-0 ヨルダン
日本:22分本田圭佑、82分香川真司
ヨルダン:

|圧倒的ポゼッションから本田が先制点を奪取
グループリーグ最終戦の相手は、W杯アジア予選で唯一の黒星を喫しているヨルダンが相手。フィジカルに優れ、高さと速さ、強さを兼ね備える曲者を相手にどのような戦い方をするのか、そして課題の得点力不足を解消して確実にグループリーグを通過できるのかが、この試合における日本の課題だった。
日本は1、2戦目と同じ先発メンバーで臨んだ。この試合で先発に名を連ねた長谷部誠は、主将としての国際Aマッチ出場が56試合となり、歴代単独トップとなる記念すべき試合となった。その長谷部キャプテンの偉大な記録に華を添えるべく、日本は今大会の前2試合でも見せていた積極的な攻めを序盤から仕掛ける。その一翼を担ったのは乾貴士だった。
乾は2分に左サイドでボールを受けると、ドリブルで中央に切り込んでシュートを放ち、自ら両チーム通じてのオープニングシュートを放つ。さらに11分、乾のパスから抜け出した香川真司が右サイドからクロスを供給。このクロスに対してゴール前に飛び込んだ乾は右足でボレーシュートを放ち、ゴールに強烈なシュートを突き刺して早くも日本が先制点を奪ったかに思われた。しかし、香川の折り返し時点でボールがラインを割っていたという判定で、きれいな形で挙げたゴールは幻に終わってしまった。
しかし、日本はペースをヨルダンに渡さない。身体のバネを活かした躍動的なプレーでカウンターを狙うヨルダンに対し、高い位置からのプレスで対応。危険な芽を早めに摘み取ることで、ヨルダンにチャンスを与えない積極的な守備を見せた。そして24分に日本は先制点を奪う。ペナルティエリア手前の左で長谷部から乾につなぎ、乾が絶妙な溜めからスルーパス。これを抜け出した岡崎慎司がシュートし、GKの弾いたこぼれ球を本田圭佑が押し込んで、均衡を破る。本田は3試合連続ゴール。流れの中から待望のゴールを挙げた。

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|待ちに待った香川のゴールでリードを2点に広げる
グループ突破に向けて大事な先制点を奪った日本に対し、ヨルダンはカウンターをベースとした鋭い攻め上がりを時折見せるものの、いずれも単発で終わってしまい、ペースを引き寄せることができない。日本は変わらず、相手を圧倒するポゼッションでリズムを造りながら速攻と遅攻を繰り返し、ヨルダンからハードなチャージを受けつつもゲームを支配し続けた。
結局、前半は追加点こそ奪えなかったが、守備陣も落ち着いて対応した日本は、ほとんど危険な場面を迎えることなく1点リードでハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、追いつきたいヨルダンが攻撃的な選手を投入して反撃を開始。よりボールへのアプローチをスピードアップし、前半に比べれば日本の守備陣を押し込む場面が見られるようになる。しかし、日本は慌てなかった。前半からポゼッションを高めることでリズムを作っていた日本は、相手の速攻をしのぐと遠藤保仁や長谷部にボールを集めてゲームを落ち着かせ、相手のペースに乗らない“大人の対応”で流れを引き寄せる。58分には遠藤のスルーパスから本田がゴールネットを揺らすも、オフサイドの判定。またもや追加点が奪えない試合になるかと思われた。しかし、日本は選手交代が功を奏す。
79分に、前線で身体を張ったプレーと裏への抜け出しで多くのチャンスに絡んでいた岡崎を下げ、武藤嘉紀を投入。高い湿度で激しく体力を消耗するヨルダンにとって、スピードのある危険な選手がピッチに送り込まれた。そして訪れた82分、日本にとっても香川にとっても大きなゴールが生まれる。後半早々から投入されていた清武弘嗣のスルーパスに抜け出した武藤が、左サイドからグラウンダーのクロスをゴール正面に送ると、中央に走り込んだ香川が右足で合わせてゴール。ボールはGKを弾きながらも吸い込まれ、自身にとってアギーレ監督就任後初のゴールを挙げてリードを広げることに成功する。

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|全員のハードワークと守備陣の奮闘で掴んだ勝利
リードを2点に広げた日本は、アディショナルタイムに入ってペナルティエリア内で酒井高徳がバウンドの処理を誤ってピンチを招く場面もあったが、無失点で勝利。同時刻で行われていたイラク×パレスチナの結果に関係なく、日本はグループ首位で準々決勝に駒を進めた。
本田、香川のゴールが揃い踏みとなり、高いポゼッションで相手を圧倒した攻撃陣は十分な活躍を見せた。ボールを失ってからの守備への切り替えも早く、前線からのハードワークはカウンターに弱い日本守備陣を大いに助けたと言えるだろう。しかし、この試合では守備陣も堅実なプレーで相手の攻撃を潰していた。吉田麻也と森重真人のセンターバックコンビは、強いフィジカルを持つ相手に対してもしっかりと身体を寄せて動きを封じ、自由にさせる場面はほとんど見られなかった。また、酒井もアディショナルタイムでこそミスはあったが、前半から積極的に上下動を繰り返し、プレー全体は概ね満足のいくものだった。
そして、この試合で特に後半に入って存在感を見せていたのは左サイドの長友佑都だ。酒井に負けず劣らずの上下動と、ボールを奪われてからも一気に駆け戻って対応する守備の素早さ、そして体格で勝る相手にも巧さと強さで突破を止めるなど、攻守にわたって久々に代表のピッチで“らしさ”を見せていた。クロスの精度こそ、まだまだ改善の余地はありそうだが、攻撃時のドリブルでも守備時のマークでも、一対一の場面の強さと速さは抜群だった。
準々決勝の相手はUAE。この先の戦いではますますハードワークが必要になると同時に、守備陣に掛かる負担も増す。まさに、難敵との戦いが続くここからのが、本当の戦いだと言えるだろう。

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(文/宮坂正志)


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