難敵イラクに勝利!多くの決定機を逃すも本田のPKを守りきる。

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2015.01.16
アジアカップ2015・グループD第2節
日本 1-0 イラク
日本:23分本田圭佑
イラク:

|序盤の積極的な仕掛けでペースを握った日本
初戦のパレスチナ戦を4-0で快勝し、アジアカップ連覇に向けて好発進した日本は、2戦目でグループ最大のライバルであるイラクと対戦した。2007年にアジアカップを制しているイラクは20代中盤の豊富なタレントを擁しており、決勝トーナメント進出に向けて難しい試合になることが予想された。
日本はパレスチナ戦と同じ4-3-3のシステムを採用し、先発メンバーも同じ顔ぶれで臨んだ。イラクは右サイドからの攻撃を得意としており、そのキーマンである右MFアムジャド・カラフには長友佑都が対応。代表150試合出場となった遠藤保仁のほか、好調を維持する乾貴士、復調の兆しを見せる香川真司らが日本の攻撃を担った。
イラクは最終節で日本が大勝したパレスチナとの試合を残しており、曲者のヨルダン戦を最後に残す日本は決勝トーナメント進出に向けて是が非でも勝っておきたい一戦。試合前にヨルダンがパレスチナに勝利していたため、日本は勝てばグループ単独首位、敗れればイラクに大きく遅れを取ってしまう状況にあった。
スピード、テクニックともにパレスチナとは別次元のイラクが相手とあって、慎重な立ち上がりで試合がスタートするかと思われたが、日本は立ち上がりから積極的なプレスを仕掛けた。そして4分にはバイタルエリアでボールを受けた本田圭佑がスルーパスを岡崎慎司に通してGKと一対一の絶好機を演出。オフサイドの判定になったものの、イラクの出鼻を挫くには十分な攻撃だった。
さらに11分には再び本田のスルーパスを受けた香川が、中央からニアサイドへ走り込んでボールを受けてシュートを放つなど、攻撃陣が躍動。相手ゴールに攻め込みながら得点につながらない展開が続いたものの、遠藤と香川のインサイドハーフでコンビを組む2人がバイタルエリアを縦横無尽に動き回り、攻撃の主導権を握り続けたことで日本は徐々に得点の可能性を高めていった。

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|グループ最大のライバルに勝利したものの、残る課題
そんな中、23分に待望の先制点が日本にもたらされる。
遠藤のスルーパスに抜け出した乾が、左サイドの深い位置から狙いすましたグラウンダーのクロスをゴール中央へ送ると、これに反応した香川が飛び込んで合わせたが、至近距離からのシュートはGKジャラル・ハッサンに阻まれた。しかし、そのこぼれ球を本田がペナルティエリア内で拾ってキープしたところを倒されてPKを獲得。本田がハッサンの動きを冷静に見極めてこれを決め、日本が先制に成功する。
攻勢を強める日本に対し、イラクも鋭いカウンターなどで反撃を試みる。42分には中央でボールを受けたユニス・マフマードが倒されてFKのチャンスを得ると、ロングボールを入れてこぼれたボールをカラフが拾って右サイドを突破。カラフのマイナスのクロスにマフマードが合わせてゴールを狙うが、これは長谷部が足に当てて川島のキャッチにつなげた。
前半は日本が高い位置から積極的に仕掛けた攻勢の前に押し込まれたイラクだったが、後半に入ってからは徐々にペースを引き寄せる。55分に1トップのマフマードを下げてジャスティン・ヒクマトを投入すると、それまで淡白だった攻撃が活性化。直後の56分には右サイドからのクロスにアラー・アブドゥルがボレーシュートを放ち、58分にも長友のファールで得たFKを日本のゴール前に入れてセットプレーから得点を狙うなど、日本陣内でチャンスを作り出した。
一方の日本は、64分に乾と遠藤を下げ、清武弘嗣と今野泰幸を投入。攻勢に出るイラクに対し、長谷部と今野がボランチで並ぶように対応しつつ、前線の攻撃は香川と最前線の3人が担った。そして76分には本田から香川にボールをつないで一気にバイタルエリアへ攻め込むと、右サイドから香川が上げたクロスを今野が頭で落とし、最後は清武がボレーシュート。ボールは相手DFの手に当たったかに見えたがノーホイッスルの判定で2本目のPKは得られなかった。積極的に攻撃の形を作り続け、シュートを放ちながらも2点目が奪えない日本。結局、この試合は1-0で90分を終えて勝ち点を6に伸ばしてグループ首位に立ったものの、課題として挙げられていた「決定力不足」の解消は、次に持ち越されることとなった。

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|プロセスは合格点、残る課題は決定力のみ
2点目が奪えなかったことは大きな課題だが、収穫もあった。1戦目のパレスチナ戦に続き、イラク戦でも先発した乾、そしてその乾と途中交代で入った清武がともに好調であったこと。香川も積極的にシュートと持ち味の中央へ切り込むドリブルを見せ、あとはシュートを決めるだけという段階にまで復調しつつあること。そして、エースの本田がきっちりと結果を出し続けていることだ。
特に本田はこの日、流れの中からのシュートを3本、クロスバーとポストに阻まれている。長友のクロスをファーサイドで合わせた17分のヘディングシュート、自ら出したスルーパスの跳ね返りをダイレクトで放ったシュートがクロスバーに嫌われた47分の場面、そして65分に左サイドの清武から出された“押し込むだけ”というグラウンダーのクロスがポストに阻まれて絶好機を逸したシーン。いずれも、あと一歩のところで得点にはつながらなかったが、決まっていれば楽に試合を進めることができたし、決めておきたい決定的な場面だった。
グループステージ最大のヤマ場を乗り越えたとはいえ、決勝トーナメント後のことを考えると、手放しでは喜べないだろう。本田自身も試合後に「あれを決めていないと大事な試合では勝てないと思うので非常に悔しい」とコメントしているように、この先の戦いでは“惜しい”場面が命取りになりかねない。
連携やシュートまでのプロセスは試合を経るごとにクオリティが上がってきている。あとはゴールという結果のみ。グループ最終戦のヨルダン戦では、きっちりとゴールという結果も出して、気持ちよく決勝トーナメント進出を決めたいところだ。

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(文/宮坂正志)


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