好機を活かせなかった手負いのアーセナル。勝ったマンUは4位浮上

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2014.11.22
イングランド・プレミアリーグ第12節
アーセナル 1-2 マンチェスター・ユナイテッド
[得点]
アーセナル:90+5分オリヴィエ・ジルー
マンチェスター・U:56分オウンゴール、85分ウェイン・ルーニー

|不安定な3バックのマンUに対し、序盤はアーセナル優勢
通算220回目の対戦を迎えたアーセナルとマンチェスター・Uの対戦。プレミアリーグ屈指の好カードであることには違いないが、今季の状況は両チームともにやや寂しい状況にある。今シーズンは11試合を終えた時点で、アーセナルが4勝5分2敗で7位。対するマンチェスター・Uは4勝4分3敗で8位に位置しており、首位戦線からはやや引き離された順位にある。双方ともに低迷の要因は、負傷者を抱えて思うような布陣で試合に臨めていないことにある。チーム内のやりくりは、もうしばらく続くだろう。

ホームのアーセナルは4-3-3の布陣。GKシュチェスニー、最終ラインはチェンバース、メルテザッカー、モンレアル、ギブスという顔ぶれで守備陣を構成し、中盤はアルテタを中央に、ラムジーとウィルシャーを据えて、前線はチェンバレン、ウェルベック、サンチェスを配した。一方のマンチェスター・Uは3-2-2-3に近い3-4-3システムを採用し、GKデ・ヘアの前にマクネア、スモーリング、ブラケットを並べ、その前で右にバレンシア、左にルーク・ショーが大きくサイドに開いてポジションを取る。最前線の後方にはキャリックとフェライニ、3トップはルーニー、ファン・ペルシー、ディ・マリアを配した。

今季まだホームで黒星がないアーセナルと、アウェイで未だ勝利がないマンチェスター・Uの顔合わせだったが、先にペースを握ったのはアーセナルだった。不安定な3バックの守備を布くマンチェスター・Uの最終ラインに対し、アーセナル攻撃陣は高いポゼッションで押し込みつつ、ウィルシャーやチェンバレンが幾度となく好機を演出。サイドを中心に鋭い動きでマンチェスター・Uゴールを襲ったが、最後の砦として立ちはだかる守護神デ・ヘアの奮闘もあってゴールを奪えない状況が続いた。

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|前半をしのいだマンUは幸運な流れで貴重な先制点を手にする
対するマンチェスター・Uは、時折、カウンターで対抗するものの、多くの時間で防戦を強いられた。そんな中、負傷者続出のマンチェスター・Uを不運が襲う。序盤の7分にショーがチェンバレンとの接触で足を痛め、一旦はプレーを再開したものの、14分にヤングと交代。押され気味の展開の中、選手のやりくりを後半に取っておきたかったマンチェスター・Uにとっては手痛い、序盤に負傷で交代カードを1枚切らざるを得ない事態となる。しかし、それでも何とかアーセナルの攻撃をしのいだマンチェスター・Uは、0-0で前半を終えることに成功。展開的には2点くらい奪われてもおかしくない状況だったが、結果的にはまずまずの45分を終えた。

後半に入ると、試合は大きく動き出す。アーセナルは49分に左サイドにフリーで位置していたウェルベックにロングパスを通して決定機を迎えるが、シュートはGKデ・ヘアがストップ。するとその直後、今度は決めるべき時に決められない状況が続くアーセナルに不運が訪れる。前半から攻撃を操っていたウィルシャーがタックルを受けて足を痛め、一度はプレーを続行するものの、55分にカソルラと交代。さらに、不幸はウェルベックの負傷交代にとどまらず、防戦一方だった相手に先制ゴールを許すことになる。

56分にマンチェスター・Uは左サイドのヤングが、ゴール前のフェライニへクロスを入れると、それをクリアしようとしたアーセナル守備陣はギブスとGKシュチェスニーが激しく交錯。流れたボールを拾ったバレンシアのシュートは、ゴールマウスをからは外れるコースだったが、不運にも起き上がろうとしていたギブスが出した足に当たってゴールに吸い込まれ、アーセナルはオウンゴールで先制点を献上してしまう。そして、この際の交錯でGKシュチェスニーがプレー続行不可能となり、2枚目の交代カードをGKの交代で使う事態となる。

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|アーセナルの反撃も一歩及ばず、マンUが敵地で勝利
反撃を試みるアーセナルはマンチェスター・U陣内でボールを支配し、プレッシャーをかけつつ巧みなパスワークで翻弄するが、やはり最後のところで立ちはだかるデ・ヘアの壁を打ち破ることができない。77分には負傷から復帰したジルーを投入して攻勢を強めようとしたが、逆に85分、マンチェスター・Uは自陣から切れ味鋭いカウンターを発動。フェライニが前線のディ・マリアにボールをつなぎ、数的優位の状況で受けたディ・マリアは左サイドから駆け上がるルーニーへパス。完全に抜け出したルーニーがこの好機を見逃すはずなく、きっちりとゴールを決めて2点のリードを奪った。

攻めながらもゴールを奪えず、負傷者も出してしまったアーセナルは、2点のビハインドを背負ってからは特に細かいミスを頻発。味方の交代で8分という長いアディショナルタイムもあったが、なかなか思うように攻撃の形を作ることができない。ようやく90+5分に、ジルーがアルテタのパスを受けて左足で放ったボレーシュートを決めて一矢を報いたが1点差に迫るのがやっと。マンチェスター・Uに逃げ切りを許し、ホームで手痛い黒星を喫した。

一方のマンチェスター・Uはボール試合率こそ39%にとどまり、防戦一方の展開は思惑通りとは言い難い戦い方だったが、結果としては貴重な勝ち点3を手にした。自分たちの倍近い23本のシュートを打たれながら、許したゴールは終盤の1点のみ。まさに守護神として立ちはだかったデ・ヘアの奮闘なしには得られなかった勝利だろう。これでマンチェスター・Uは勝ち点を19に伸ばし、一気に4位まで浮上。3位のマンチェスター・シティとの勝ち点差は5あり、まだまだ首位戦線に加わったとは言えない状況だが、とりあえず本来のあるべきポジションに上がろうとしている。12月上旬には現在2位のサウサンプトンとの対戦を控えているだけに、ここからがまさに正念場となる。

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(文/宮坂正志)


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