ドルトムント復帰戦でゴール、香川は救世主となるのか!

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2014.09.13

ブンデスリーガ第3節
ボルシア・ドルトムント 3-1 フライブルク
[得点]
ドルトムント:34分アドリアン・ラモス、41分香川真司、78分ピエール・エメリク・オーバメヤン
フライブルク:90分オリバー・ソログ

|ドルトムントに香川真司が戻ってきた
香川真司がシグナル・イドゥナ・パルクに帰ってきた。
指揮官のユルゲン・クロップ監督がかねてから明言した通り、ブンデスリーガ第3節のフライブルク戦に、ボルシア・ドルトムントの一員として香川は先発出場を果たした。しかも、香川はこの復帰戦で貴重なゴールを挙げ、チームを3−1の勝利へと導く活躍を見せた。

MFマルコ・ロイスもいなければ、MFヌリ・シャヒンもいない。さらにはMFヤクプ・ブワシュチコフスキもDFマッツ・フンメルスもいない。負傷者が続出するドルトムントは苦しんでいた。
レヴァークーゼンとの開幕戦には0−2で惨敗。第2節のアウグスブルク戦こそ勝ち点3を手にしたが、試合終盤に相手の猛攻に遭い、3−2で辛くも逃げ切っての勝利だった。
それだけに、ファンは、2010-11、2011-12シーズンのブンデスリーガ連覇に貢献した立役者の帰還に大いなる期待を寄せていた。

|4−2−3−1のトップ下で香川は先発出場
香川は4−2−3−1システムを採用するドルトムントのトップ下を任された。1トップには同じく今シーズンより加入したアドリアン・ラモスが先発した。2列目の右サイドにはヘンリク・ムヒタルヤン、左サイドにはケヴィン・グロスクロイツという構成でキックオフを迎えた。
開始4分にはムヒタルヤンからの横パスを受けた香川が前を向き、早速、ミドルレンジからシュートを狙ったが、これは枠を外れる。ドルトムントは7分にもミロシュ・ヨイッチのスルーパスからグロスクロイツがフィニッシュしたが、これもあと一歩のところで精度を欠いた。
ボールポゼッションで相手を上回り、主導権を握っていたドルトムントだが、すべてがうまく機能していたわけではない。パスミスが多く、ボールを奪われると、フライブルクのMFジョナタン・シュミットやFWアドミル・メフメディを中心とした攻撃陣に、簡単にゴール前までボールを運ばれてしまった。逆に攻撃に出た際には、ショートパスやワンツーといったコンビネーションによりゴール前を突破しようと試みるが、短期間で呼吸を合わせるのはやはり難しいのか、香川へのパスもずれる場面が多々見受けられた。
時間は立ち上がりの15分を過ぎ、膠着した雰囲気すら漂っていた。
その状況を覆したのが、背番号7を纏う香川だった。目まぐるしく攻守が入れ替わる展開がしばらく続いていた34分、自陣から香川に縦パスが通る。香川は持ち前のキープ力でDFをかいくぐり、グロスクロイツが駆け上がる時間を作ると、絶妙なタイミングで左サイドにスルーパスを送った。ボールを受けたグロスクロイツはサイドをえぐると折り返す。そして、ニアに走り込んだアドリアン・ラモスが合わせ、先制点を奪った。
ゴールが生まれたことでチーム全体の躍動感が増したのか、ドルトムントは一気に流れをつかむ。35分にはグロスクロイツが決定機を、39分にはムヒタリアンがシュートを放っただけでなく、チームとしてパスが上下左右に回り出した。トップ下で自由自在に動く香川は、マンチェスター・ユナイテッドでは見られなかったほど、生き生きとその中心でボールに絡んでいた。
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|復帰戦にてゴールという結果を残した香川
そして——期待の背番号7に待望のゴールが生まれる。
41分だった。自陣でボールを奪取したドルトムントはカウンターに出る。中央からパスをつなぎ、右サイドを走るアドリアン・ラモスに出ると、先制点をマークしたストライカーは、エリア内に侵入したところでグラウンダーのパスを折り返した。左から中央へ走り込んできたムヒタリアンはDFを引きつけると、これをスルー。その後方にいたのが香川だった。フリーだった香川は冷静に右足でコースを狙うと、ニアへと流し込んだ。ゴールを決めた香川は、控え目な歓喜の表情を見せると、コーナーフラッグ付近に走っていき、ファンと喜びを分かち合った。
2−0で前半を折り返したドルトムントは、78分にもDFのクリアミスを拾ったピエール・エメリク・オーバメヤンがスピードに乗ったドリブルでゴール前に侵入すると、GKが飛び出してきたところでループシュートを放ち、スコアを3−0とした。試合終了間際に1点を返され、完封勝利できなかったところは、今シーズンの課題ではあるが、アドリアン・ラモスにしても香川にしても決めるべき人が決めての勝利と言えるだろう。
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|ただし、コンディションやコンビネーションには課題もある
先制点に絡み、追加点を自ら決めるなど、最高の復帰戦となった香川は、64分に足が吊り、途中交代を余儀なくされた。移籍前のマンチェスター・ユナイテッドではほとんど出場機会を得られず、試合をこなしていなかっただけに、早急にコンディションを上げていく必要があるだろう。
チームとしても完全に香川の特徴や能力を活かせたわけではない。何より今節対戦したフライブルクはこの試合でようやく今シーズンのリーグ戦初ゴールを記録したくらいで、決して好調とも強豪とも言える相手ではなかった。
ゴール前でのコンビネーションに加え、サイドのパスワークなど、まだまだ改善、修正、構築しなければならない課題はある。いよいよチャンピオンズリーグのグループステージも開幕するということを考えると、負傷中の主力選手たちの復帰が待たれるだろう。
香川の加入により、優勝争いの対抗馬となったドルトムントではあるが、バイエルンの真のライバルになれるかどうかは、今後の出来に懸かっている。
(文/原田大輔)


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